最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 理事長室を出て、時計に目を走らせる。

 八時……もうすぐホームルームが始まる時間だ。

 その前に職員室に行かないと。

 生徒手帳はスマホみたいになっていて、校内マップも入っていて凄く使い勝手が良い。

 さっきまでは紙の地図を見ながらだったからなぁ……。

 生徒手帳の地図を見ながら職員室まで向かう。

 えーっと、ここを曲がって……あ、あった!

 【職員室】と書かれた文字を見つけ、ほっと安堵する。

 緊張していたから、一旦間をおいてノックしてドアを開ける。

「失礼します。今日からここに編入する事になりました、柊木栞です。」

 出来るだけ大きな声で言い、噛まなかった事にまた安堵する。

 ……って安堵しすぎだっ!

「柊木さん、担任の先生を呼んでくるから待ってて。」

「はい。」

 一番近くにいた先生がそう言ってくれて、一旦奥のほうへと入っていった。

 しばらく待っていると、奥からさっきの先生と男の先生が出てきた。

「僕が担任の戌待柴(いぬまちしば)だよ。気軽に柴先生(しばせんせい)と呼んでくれ。」

 柴先生はそう言うと、にこっと微笑んだ。