最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 僕が他の人と感性が違うってだけかもしれないけど……。

「ううん、何もないよ~。」

 僕は不安そうな瞳で見つめてくるしーちゃんに、そう言って笑顔を浮かべる。

 しーちゃんはまだ少しだけ不安そうだったけど、「そっか、無理しないでね。」と言って前を向いた。

 ……やっぱりしーちゃんは、何かが違うよ。

 僕は改めて、そう思った。



「二人とも、じゃあまた明日!」

 寮の近くでしーちゃんと分かれる。

「おう! じゃあな!」

「ばいば~い! しーちゃん~!」

 僕たちもしーちゃんに手を振ってから、寮の中に入った。

 エントランスからエレベーターで上の階に上がる。

 その時、不意に疾風が言葉を発した。

「和向。お前、栞には心開いてるんだな。」

 ……疾風はよく見てるよね、本当に。

「そうだね~。」

 僕は気持ちを悟られないように、いつもの調子で返す。

 疾風の言葉が、僕には身に沁みて分かる。

 分かっているからこそ……考えないようにしてる。

 疾風もそれを察しているのか、むやみには聞いてこない。