最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「はい、お願いします。」

 私は理事長の言葉にそう返して、しっかり話を聞く。

「この学園は知っての通り、魔族や人外しか通えない専門的な学園だ。理由としては魔族や人外の生態系を守るため。なんたって不思議な存在だからね。」

 その言葉に、深く相槌を打つ。

 魔族や人外の歴史は長いのに、未だ謎な事が多い。

 だから特別学校を作って新発見を探している、と聞いた事がある。

「この学園だけじゃなくて、他にも魔族や人外専門の学校はあるけれど、君にこの学園に来てもらった理由が分かるかい?」

 急にそう尋ねられ、言葉に詰まったけど思考を何とか回転させる。

 ……分からない。

 考えてみたけれど、それが私の素直な答え。

 国の考えで強制的に通わされている学校だと思っていたけど……もしかして何か目的があるの?

 そうだったら……教えてほしい。

 だから……。

「分かりません。」

 きっぱりと言ってしまうのが、一番良い。

「ははっ、素直だね。神菜さんは。」

「ありがとうございます。」

 褒められている場面じゃないけど、とりあえずそう言っておく。