少し暑さの残る九月の終わり。
 今年の夏はものすごい暑さだったということもあり、残暑もとても厳しかった。けれど暑さ寒さも彼岸まで、と言うように、秋分の日を過ぎるとようやく涼しい日も増えて、木々も少しずつ紅や黄色に染まり始めてきた。そんな今日この頃。

 私達の通う高校では、文化祭が行われていた。

 体育館で行われた文化祭のオープニングは、軽音楽部による派手な演奏で幕を開け、その後も吹奏楽部、オーケストラ部などの軽快な演奏が続き、現在はダブルダッチ同好会のパフォーマンスが行われている。


「美音、そろそろ」

「あ、うん、今行く」


 もう少しゆっくりとオープニングパフォーマンスを見ていたい気持ちではあったけれど、うちのクラスの出し物の仕込みをするべく、後ろ髪を引かれながらも私は体育館を後にした。