「....田中...くん」
その名前を呼んでしまったら、終わり。
あの時の記憶が一気に思い出される。
たくさんの思い出が詰まっていた、青春も絶望も経験したあの時代を。
「覚えてくれてたんだな。マジで久しぶりだよな」
どの面を下げてそんな親しげに話しかけてくるの...。
私をどん底に突き落としたのはあなたのくせに。
あの時、私を拒絶したのはあなたのくせに。
この人に一生これから先、出会わないために、私は今の高校にいったはずなのに...。
「中学以来だから、2年ぶりくらいか?全然見かけなかったから、引っ越したのかと思ってたけど」
なんで私を前にしてそんな飄々と話せるの....。



