青春の備忘録

 「よいしょ……」
 私は、昨日と同じくギターを背負って駅から学校へ歩いていた。
 1km程度の歩き慣れた道でもギターがあると少し歩きにくく、重さもそれなりにあるのでいつもよりも歩くのが遅くなってしまう。
 ようやく学校が見えてきた。
 今日は高校生で最後の文化祭、今日のためにクラスのみんなでアイデアを出したり作業をしたり、部活や個人で練習を頑張ったりした。
 いよいよだ、とこれまでの頑張りを振り返りながら学校へ向かっていると、道路の向こう側から、
 「田川さーん、応援してまーす!」
 という声が聞こえてきた。
 声の主はおそらく良太である。
 2車線の道路を挟んだ反対側の歩道には、寮から出てきたのであろう、自転車で登校する野球部がいた。
 「ありがとーう!頑張りまーす!」
 私も出せる限りの声でお礼を言いつつ、交差点の信号待ちで歩みを止めた。