青春の備忘録

 呼び止めたのは、良太だった。
 「はい、もちろん。私は構いませんが、上原くんがいいのならぜひ」
 私はそう言って、ようやく中庭へ向かった。
 後ろには良太をはじめ、野球部やサッカー部がたくさんついてきていた。
 これだけ目の前に人がいれば、リハーサルにも、練習としても十分だなと考えながら、階段を下り中庭のステージへ向かう。
 「上原くん、ちょっとの間だけこのケースを押さえててもらえない?」
 ギターケースがなぜかフニャッとして立たなかったので、良太に支えてもらうようにお願いした。
 談笑しながらチューニングしたギターを片手にステージの段を一段上がった。
 「田川です、よろしくお願いします」
 ステージでは放送担当の教師と生徒会の生徒が機材チェックを担当している。
 私はギターの説明やマイクスタンドの調整をしながら、軽く歌ったり、ギターを弾いてみたりする。