「田川さーん、上原が呼んでまーす」
 教室の外から私を呼んだのは、8組のサッカー部たちだった。
 夏休みが明けて9月になった。
 教室の中はほぼお盆しか休みのなかった夏休みが終わり、あまり休めず疲れた雰囲気だが、廊下の彼らは猛暑も感じさせないような元気のありようである。
 私は彼らが来たのを見て、教室の外に出た。
 「上原くんが、私を?」
 「呼んでます」
 私は一体どんな用事なのか、そもそも用事があるのだろうかと思いながら、サッカー部について上階へ上がった。
 「こんにちは〜」
 廊下にはいつものように野球部と、数人のサッカー部の人たちがいた。
 「あ、上原くん。何か私に……」