「ちょっと、私、ノートとか買わなきゃいけないので、それを買ってから8組にお邪魔します、村田くんは外で待っていてもらっても大丈夫ですか」
 「了解っす」
 2人の生徒と職員1人だけがいる静かな部屋から、1人の生徒が去っていき、その生徒は外の廊下の脇に立っている。
 「ノートと、ボールペン……これで、お願いします」
 私は代金を支払って、礼を言うと足早に購買部を出た。
 「ごめんなさい、お待たせしました。行きましょうか」
 数分前に下ってきた階段を登り、4階へ向かう。
 私と健斗は言葉を交わすことなく、ただ2人の足音だけが階段室に響いた。
 最上階まで登ると、パッと明るい光が差し込んできた。