「俺、田川さんの歌聴けるのまじ楽しみにしてます!」
 目をキラキラさせてそう言うのは良太である。
 「上原くん、この間も片付けをお手伝いしていただいて……そう言ってもらえるだけで嬉しいです」
 私はにっこりと返事をした。
 「そういや、田川さんって野球好きなんすか?」
 次に話を始めたのは、健斗だ。
 「確か鞄にボールのキーホルダーつけてますよね」
 啓や翔も口々に言う。
 「そうなんです。私、野球がとっても好きなんですよ、皆さんのこと、たくさん応援してます」
 「俺ら、もっと頑張んなきゃな」
 ニカっと笑う良太に合わせて、野球部たちは盛り上がっていた。
 「田川さんー、俺らは?」
 サッカー部の方も少し不満げに話す。