「かっこいい?あの人が?」
 笑い混じりに訊く私を見て、梨沙は大きく頷いた。
 「うん!なんか、元気そうなところとか良さそうじゃん?」
 私は彼に対してチョコマカした小学生みたいな人というイメージをしか持っていなかったので、ただ納得がいかずうなっていた。
 「んで、あの人のSNSフォローしなきゃね」
 梨沙はニコリと笑って私にそう言ったが、私は、
 「まさか。名乗りもせずにSNSをフォローしてくれだなんて、するわけないじゃない」
 と、言い放った。
 「え〜、結構イケメンだと思うけどなあ私。フォローしちゃえばいいのに」
 「そうかなあ」
 のんびりと廊下を歩いていると、掃除時間の終わりを告げる予鈴が鳴った。
 「急がなきゃ、ホームルームに遅れちゃう」
 私と梨沙は小走りで教室へ戻った。