読者の皆さんへ。
 ここまで本作を読んでいただきありがとうございます。
 本作は、物忘れをしやすい私への備忘録という意味もあり、また、自分自身の体験を思い起こそうということで、「青春の備忘録」という題がつきました。
 このお話はまるでフィクションのような、作り話のような内容ですが、脚色はともかく、全て私が体験してきたことです。
 正直、その時々によって、さまざまな悩みがありました。
 決して、楽しいものではなく、むしろ苦しいときが多いものでしたし、毎日毎晩泣いている時期もありました。
 それでも、彼が目の前に現れると、そんな悩みを忘れてしまうくらい、パッと明るい気持ちになれたのです。
 私にとって、最も大きなポイントだったのは、「決別」の節で、恥ずかしながら、たったその一件を1年近く憎み、自他ともに責めていました。
 今ではすっかりそんな気持ちはないのですが、反対に、そのことで大好きな人をひどく憎み責め立てたことを申し訳なく思います。