私と孝太郎くんは、初めて顔を合わせた時から、あまりにも自然に、当たり前のように、週末は一緒に過ごすようになった。

今日は二人で浅草の花やしきへ行く。

少し遠出するときも、近くで会うときも、孝太郎くんはいつも私の住むマンションまで迎えに来てくれる。

時間通りにインターホンが鳴り、ディスプレイの向こうには孝太郎くんが。

「いま行くね！」

私は、エレベーターが来るのさえ待ちきれず、階段を駆け降りる。


「いつも迎えに来てくれてありがとう」

「すぐ近くなんだから、気にするなよ」

互いに少し照れながら、微笑みを交わす。

「じゃあ、行こうか」

「うん！」

私たちは、最寄り駅へと向かった。

駅までの短い距離であっても、孝太郎くんはいつも、さりげなく車道側を歩いてくれる。