十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす

素材は、プラチナに決まった。
今度こそ、指輪のサイズを選ぶ番だ。
そのために、もう1回理玖は、リングゲージをはめてきた。
その動きがあまりにも自然すぎて、止めることすらできなかった。

「お前さ、夕方よく浮腫むの?」
「あーそ、そうかも」
「じゃあ、ジャストサイズすぎると、すぐに痛くなるかもしれないな」

そう言いながら理玖は、また私の小指に触れて、揉んで、撫でてくる。
その度に、私の小指に熱が宿る。

「そしたらサイズは、少しだけ大きめにしようか」
「でも、ピンキーリングはジャストサイズが重要だと思うけど……」
「確かに。小指の指輪はなくしやすいから、ぴったりなサイズで作るのはセオリーだ。だけど……」

理玖は私の小指を撫で続けたまま

「この指が、鬱血して苦しむのは、流石に可哀想だからな」

と言いながら、複数リングゲージを当てはめていく。
私は、理玖の一言一言に、心臓がはち切れそうになるのを抑えるので精一杯。