「手……むくみやすい?」
「え?」
「かなりむくんでるぞ」
「あー……」
自覚はあった。
デスクワークで指を酷使するようになってから、急にむくみやすくなった。
最初の頃は、指が太くなるのを気にして、ハンドクリームでマッサージもしていたが、いつしかマッサージをする余裕すら無くなっていた。
「太ったってことかな」
あはは、と笑って誤魔化した。
「ちょっと待ってろ」
理玖はそう言うと、自分のポケットからハンドクリームを取り出した。
「え!?ちょっと、理玖!?」
理玖は、適量を手に取ると私の小指を優しくマッサージしてきた。
「何で……!?」
「ちゃんと、お前にピッタリなサイズで作ってやりたいからな」
「こ、こんなこと、他のお客様にもしちゃってるの?」
「しない」
そう言うと、理玖は顔を上げた。
私と目を合わせてきた。
そうして、彼は再び、私に言い聞かせるようにこう言った。
「どんな形であれ、お前の指に星を降らせるんだ。一生使えるものを作ってやりたい」
理玖の親指と人差し指は、とても優しく私の小指をほぐしてくれた。
気持ちよさと居心地の悪さが一緒に押し寄せてきた。
「え?」
「かなりむくんでるぞ」
「あー……」
自覚はあった。
デスクワークで指を酷使するようになってから、急にむくみやすくなった。
最初の頃は、指が太くなるのを気にして、ハンドクリームでマッサージもしていたが、いつしかマッサージをする余裕すら無くなっていた。
「太ったってことかな」
あはは、と笑って誤魔化した。
「ちょっと待ってろ」
理玖はそう言うと、自分のポケットからハンドクリームを取り出した。
「え!?ちょっと、理玖!?」
理玖は、適量を手に取ると私の小指を優しくマッサージしてきた。
「何で……!?」
「ちゃんと、お前にピッタリなサイズで作ってやりたいからな」
「こ、こんなこと、他のお客様にもしちゃってるの?」
「しない」
そう言うと、理玖は顔を上げた。
私と目を合わせてきた。
そうして、彼は再び、私に言い聞かせるようにこう言った。
「どんな形であれ、お前の指に星を降らせるんだ。一生使えるものを作ってやりたい」
理玖の親指と人差し指は、とても優しく私の小指をほぐしてくれた。
気持ちよさと居心地の悪さが一緒に押し寄せてきた。



