十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす

「それで?」
「え?」
「何を、作りたいんだ?」
「……いいの?」
「断る理由はないよ」

その言い回しがほんの少しだけ引っかかったが、私は気づかないフリをした。

「じゃあ……」

ネックレスにブレスレット、アンクレットにイヤリング……ティアラでさえもオーダーメイドができると書かれていた。
理玖のような、才能の神様に愛された人が作るティアラを見てみたいと言う好奇心も芽生えはしたが、私は今の自分に最も必要だと思うものを選ぶことにした。

「ピンキーリングがいいな」

私の注文は、理玖にとって意外だったのだろう。

「本当に、それでいいのか?」

と念を押すように聞いてきたので

「うん、それがいい」

と私も念を押すように答えた。