それから大学受験まで、作って、食べて、寝て、描いての繰り返し。
普通のカップルのように、どこかに遊びに行くということはなかった。
そんな暇、私にはなかったから。
たくさん練習をしなくては、理玖には叶わない、置いて行かれてしまう。
プレッシャーに押しつぶされそうになりながら、私は描いて作って、作ってまた描いた。
理玖はそんな私を心配して
「どこか気分転換へ行こう」
と誘ってくれることもあったが、私はいつも断った。
それどころか
「いいね、理玖は。そんな風に遊んでる暇があって」
と刺々しく突っぱねてばかりいた。
そんな風にしている内に、私は理玖を避けるようになり、距離が生まれた。
理玖からは、最初こそラインで
「大丈夫?」
と連絡をくれることもあったが、返事をする心のゆとりが戻ってこない内に、ぱたりと理玖からの連絡が途絶えた。
そうしている内に、あっという間に入試本番。
結果は勿論、理玖は合格し、私は一次試験すら通過しなかった。
一次試験にすら通らなかった私は、理玖が同じ学科を受けようが受けまいが、きっと縁はなかったのかもしれない。
分かっていたはずなのだ。
自分には夢はあっても才能はなかったのだと。
それでも、受験の後の数ヶ月ぶりの逢瀬で、私は合格を告げてくる理玖に憎しみを抱いてしまった。
「これ以上、理玖と一緒にいるのが辛い。しんどい」
私はそう言い捨ててから、理玖の元を走り去った。
ラインもブロックしたし、それ以外の連絡先も消した。
彼によって、自分が惨めな気持ちになるのは、これ以上耐えられる自信はなかった。
理玖のことは、抱かれたいと思うくらいには好きだった。
けれどそれ以上に、これ以上彼の側にいると好きより嫌いが上回ってしまいそうだと思った。
「理玖のせいで、私の人生ぐちゃぐちゃになった」
という言葉をぶつけてしまうのが怖かった。
普通のカップルのように、どこかに遊びに行くということはなかった。
そんな暇、私にはなかったから。
たくさん練習をしなくては、理玖には叶わない、置いて行かれてしまう。
プレッシャーに押しつぶされそうになりながら、私は描いて作って、作ってまた描いた。
理玖はそんな私を心配して
「どこか気分転換へ行こう」
と誘ってくれることもあったが、私はいつも断った。
それどころか
「いいね、理玖は。そんな風に遊んでる暇があって」
と刺々しく突っぱねてばかりいた。
そんな風にしている内に、私は理玖を避けるようになり、距離が生まれた。
理玖からは、最初こそラインで
「大丈夫?」
と連絡をくれることもあったが、返事をする心のゆとりが戻ってこない内に、ぱたりと理玖からの連絡が途絶えた。
そうしている内に、あっという間に入試本番。
結果は勿論、理玖は合格し、私は一次試験すら通過しなかった。
一次試験にすら通らなかった私は、理玖が同じ学科を受けようが受けまいが、きっと縁はなかったのかもしれない。
分かっていたはずなのだ。
自分には夢はあっても才能はなかったのだと。
それでも、受験の後の数ヶ月ぶりの逢瀬で、私は合格を告げてくる理玖に憎しみを抱いてしまった。
「これ以上、理玖と一緒にいるのが辛い。しんどい」
私はそう言い捨ててから、理玖の元を走り去った。
ラインもブロックしたし、それ以外の連絡先も消した。
彼によって、自分が惨めな気持ちになるのは、これ以上耐えられる自信はなかった。
理玖のことは、抱かれたいと思うくらいには好きだった。
けれどそれ以上に、これ以上彼の側にいると好きより嫌いが上回ってしまいそうだと思った。
「理玖のせいで、私の人生ぐちゃぐちゃになった」
という言葉をぶつけてしまうのが怖かった。



