私と理玖は、会話をするより何かを作っている時間が長かった。
けれど、もし会話をする時間ができた時は、お互いを話し相手に選んでいた。
私は、理玖が持つ技術と美術論から得るものが多かった。
彼もまた私から得るものが多いと言ってくれた。
そんな私たちが、深い仲になるのはあっという間だった。
指輪デザイナーになりたいと、理玖に初めて打ち明けたのは、油絵の匂いがこもる彼専用のアトリエに置かれた、仮眠用のベッドの上。
互いの熱をぶつけ合い、破瓜の血でシーツに薔薇の花びらを描いた、夜のことだった。
けれど、もし会話をする時間ができた時は、お互いを話し相手に選んでいた。
私は、理玖が持つ技術と美術論から得るものが多かった。
彼もまた私から得るものが多いと言ってくれた。
そんな私たちが、深い仲になるのはあっという間だった。
指輪デザイナーになりたいと、理玖に初めて打ち明けたのは、油絵の匂いがこもる彼専用のアトリエに置かれた、仮眠用のベッドの上。
互いの熱をぶつけ合い、破瓜の血でシーツに薔薇の花びらを描いた、夜のことだった。



