溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。



「ふふっ、いいってば。その可愛い顔見られたから、十分価値あるし」

「っ……」


付け加えて、甘々だっ……。


「じゃあ次は僕が。」


バンッ!バンッ!バンッ!


「……へっ?」

「おー3個取れた」


先輩は狙いをしっかり定めたのかもあやふやな状態で3個も景品を取ってしまった。


「に、兄ちゃんすごいね」

「あはは、ありがとうございます」


そんな会話をする屋台の人と先輩。

ほ、ほんと先輩すごすぎる……!


「はい、真白ちゃん」

「へ?いいんですか?


差し出されたのは、くまのぬいぐるみに、先輩がすご技で落としたうさぎにリスのぬいぐるみ。


「もちろん。だって真白ちゃんのために取ってあげたんだもん」

「あ、ありがとうございます……!あ、じゃあよければこの狼のぬいぐるみ……!」

「え、いいの?!」

「はい!」


ぱぁっと明るい笑みで喜んでくれた先輩。


「ありがとう、真白ちゃん!一生大事にするね」

「はい……!私も一生大事にします!」


3つのぬいぐるみをぎゅーっと抱きしめる。


「あ。わたあめあるよ!食べる?」

「はい!食べたいです!あ、お金今度こそは!」

「ふふっ、だからいいってば。僕大金持ちだよ?」

「け、けど……」


さすがに申し訳ない……。


「……じゃあ、将来真白ちゃんが僕のお嫁さんになってくれて、癒されて、僕がいっぱい頑張って働いた時の前借りってことで」

「……ふぇっ……!?」

「じゃあ真白ちゃんはあそこのベンチで待ってて」

「あ、ちょ、ちょっと……!」


先輩はにっこり微笑んで行ってしまったので、大人しくベンチで待っていることにした。


……にしても……幸せだっ……!

こんなに幸福なことがあっていいのかな……!?