溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

「なにが欲しい?」

「え、えっと……じゃあ、あのくまちゃんが欲しいです」


指をさしたのはつぶらな瞳をしたくまの愛らしいぬいぐるみ。


「ふふっ、真白ちゃんくま好きだもんね、いいよ。じゃあお先にどうぞ」

「あ、はい……!ありがとうございます……!」


撃てるのは3発……!

狙いを定めて、くまちゃんのぬいぐるみに使って弾を撃つ。


バンッ!


「あー惜しいね」

「ううっ……」


当たりもしなかった……。


け、けどあと2発……!


バンッ!


あ、当たらない……。


「……真白ちゃんちょっとごめんね」

「?きゃっ……!?」


後ろから先輩が密着して、鉄砲を持つ。


「ここら辺でどう?」

「あっは、はひっ……」

し、心臓が……ドキドキして、壊れちゃう……!


「じゃあ撃ってみて」

「はいっ……!」



バンッ!


「はっ……!あ、当たった!」


けれど、当たったのはくまではなく狼のぬいぐるみだった。


「2人ともすごいね〜ほら景品だよ」


屋台の人がそう言ってくれた狼のぬいぐるみ。



「あ、ありがとうございます……!」


やったー……!!


あっ、でも……。


「先輩、もらっちゃっていいんですか?」

「え?もちろんだよ、だって取ったの真白ちゃんだし」

「ありがとう、ございます……!」


やっぱり、先輩はとっても優しい。