いくらお金持ちだからとはいえ、本当に美味しいから、その舌でも受け付けてもらえるはず……!!


「ん〜。じゃあ、あーんして?」

「……え?」

「だから、食べさせて欲しいな」

「そ、そんなカップルみたいなことできませんよ!」


こんなこと言ってくるから、メイドさんたちに勘違いされちゃうんだ……!!


「じゃあカップルじゃなくて、犬に餌付けさせると思って食べさせてよ」

「えええっ……そんな無理ですよ……」

「……そっか、残念だなぁ。じゃあ、このプリンは食べずに———」

「わかりました!!やりますよ……!」


せっかく頑張って作ってこんなに美味しいのに、食べないなんてもう許せないぐらいもったいないもん……!!


「ふふっ、ありがとう」

「うう……はい」


スプーンでプリンを掬い上げて、先輩の口まで持っていく。


「あ、あーん」

「っ……!」


先輩はなんだかビクッとして顔を赤らめながら、パクッとプリンを食べた。


「……あ。すごい……めっちゃ美味しいね」

「!ですよね!」

「うん」


お金持ちのいいものばっかり食べてる先輩でも美味しいなんて、なんて素晴らしいプリンなんだろう……!!