溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

「あ。じゃあさ、今度一緒にプリン作らない?」

「へ?あ、いいですよ」

「んー。じゃあやっぱり今度じゃなくて、今日は?」

「ええ!?」


今日……!?めちゃくちゃ急……。


「だめ……?」

「っ……はい」


そんなうるうるした目で見られたら断れない……。

はぁとため息をつく。


「じゃあ、僕の屋敷にきてよ」

「え?」


や、屋敷!?

いま私は、家に呼ばれたということよりも、家ではなく屋敷ということの方が驚いていると思う。


いやいや、普通屋敷なんて……。

でも、先輩はすごいお金持ちらしいし、そうなの……かも?


「?どうした?」

「い、いや……えっと……」

「あ!もしかして緊張してる?」

「い、いえ……」


驚きの方が全然勝ってる……。


「じゃあこのまま屋敷行っちゃってもいい?」

「えぁっ……じゃあお母さんに連絡しておきます」

「ふふっ、了解」


で、でもさすがに許してもらえるかわからないなぁ。

だって昨日出会ったばっかの先輩だし。


「……あ、もしもしお母さん?」

【あら真白。どうしたの?】

「実は——」


事情を説明すると、お母さんは思ってもいない反応をした。


【あらまぁいいじゃない!】