溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

「母さんが、大きくなった真白ちゃんに会いたいってうるさくて……ついでに僕も今度佐伯の本邸に行かなきゃいけなくなっちゃって」

「そ、そうなんですね……」


なんだか、ちょっと、いや、だいぶ嬉しいかもっ……!!


「先輩のお母さん……会ってみたいです!」

「え、本当?」

「はい!」

「じゃあ、いまから行く?」

「……ふぇ!?」


い、いまから……!?


それはさすがに早すぎるじゃ……!?


「わ、私はいいですけど先輩のご両親は……?」

「あー、なんか都合いいらしいんだよね」

「そ、そうなんですね……」


す、すごい……噛み合ってる。


「じゃあ、一回真白ちゃんの家行って、佐伯の屋敷に行くでいいかな?」

「あ、はい……!」


緊張でドキドキするけど……。


きっと、先輩のご両親だからとってもいい人だと思う……!!





その後……なんと、いま私は先輩のご実家の玄関の前にいます。


そこには……とてもドアとは思えないほど大きなドアが、あって……。


先輩のお屋敷よりも、倍の人数の使用人さんがいて、物語でしか読んだことのないようなお庭。


色々な花が麗しく咲き誇っている……。