「はぁ……はぁ……っ」
全力疾走してきた私は、通学路の途中で立ち止まり、呼吸を整える。
本当は、渡さないつもりだったプレゼントなのに……先輩に渡してしまった。
しかも、あんな無理やり。押しつけがましいにも程がある。
何より、大好きな先輩にあんな態度をとってしまった。
突然プレゼントなんか渡されて、たぶん先輩からしたら訳が分からないよね。
私のこと、嫌いになったよね。
でも……これで良いんだ。
今までと変わらず先輩と接して、もっともっと先輩のことを好きになってしまう前に。
これ以上、自分が傷つかないためにも。
この恋は、ここでブレーキをかけたほうが良い。
だから……私と先輩、お互いのためにもきっと、これでよかったんだ。