えっ、それってまさか……。私も夏樹先輩って、呼んで良いってこと?
「夏樹……先輩?」
「うん。それで良い。花梨ちゃん、今日も学校、お互い頑張ろうな」
「はいっ!」
「おっ、良い返事。ほんと、いつも元気だな」
先輩が、ふわりと微笑む。
それは、大好きな先輩と話しているからですよ。
先輩が、いつも私に元気をくれるんです。
「あっれー? 夏樹、もしかして後輩ちゃんのこと口説いてんの〜?」
先輩と話していると、先輩のお友達らしき人が現れた。
彼も、久遠先輩に負けず劣らずのイケメンさんだ。
「ばーか! 違うよ。花梨ちゃん、俺は別にキミを口説いてるわけじゃないからな!?」
「はい。分かってます」
ふふっ。少し顔を赤らめながら、焦ってる先輩も可愛いな。
私としては、相手が夏樹先輩なら口説かれても全然OKなんだけど。
「花梨ちゃん、俺行くわ。じゃあ」
「はい」
私は手を振りながら、友達と一緒に歩いて行く先輩の後ろ姿をじっと見つめる。