「これは、貴仁さんがもし自分達に何かあったら渡してほしいって言われてたものだ」
「……え?」
「俺らは、ほぼ身内なんていないからお互い卒園生同士で半年に一度集まってさ手紙を渡すんだ。もし自分に何かあれば渡して欲しいって託してね」
クローバーの絵が描かれている封筒には【芭奈へ】と綺麗な字で書かれていて、それを手に取る。
「……じゃ、俺は帰るね。そうだこれ俺の連絡先と会社だから、なんかあれば頼ってきて」
「はい、ありがとうございました」
「あぁ……そうだ、今からご飯行かない? ご飯食べてないんじゃない?」
え……?