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「来週からよろしくお願いします」
「うん。よろしくねー」
学校に行けばすぐに通されて担任の先生に挨拶ができたのだけど、相談できなかった。
だって、新人の先生らしいしこの土地出身じゃないって言っていたし……本当にどうしよう。
私は荷物を持ち、来た道を歩きながらこれからのことを考えていれば一つの張り紙を見つけた。【急募!!】と殴り書きの文字の下には【住み込み可】と書かれていて……これは、運命の出会い!? と、思った。
それは、一瞬だったけど。
「仕事内容……総長の姫!? 総長って、あの暴走族のだよね? 不良がいっぱいいる感じの、グループ……だよね。家事全般って家政婦的な? それに、時給が【たぶん、総長が守ります】ってなんなの?」
一人でぶつぶつ言っていると「興味ある!?」と急に後ろから話しかけられた。
「……っ……」
「あー……ごめん。驚かせて。これ、興味あるの?」
後ろにいたのは、黒髪黒眼の男子で制服着てるからきっとここの生徒さんだ。だけど、暴走族とか縁がなさそうな人がなぜにそんなことを聞いてくるのだろうか?