「ああ、それと」


しかし、いつもならそこで笑うはずの湊さんは大真面目な顔で話を続け、大也も真剣な顔つきになった。


「噂によると、フェニックスのリーダーは男女2人組なんだ。2人が何処にいるか分からないけれど、見つけ次第」


そこでおもむろに言葉を切った彼は、ゴクリと唾を飲みこみ。




「殺して構わない」




淀みない口調で、はっきりと言い切った。



あれ程、正当防衛以外の理由で人を殺すなと言い続けてきたのに。


「…おお、お前が殺しを許可するなんてな…」


壱さんが驚きを隠せずにぽつりと漏らしたけれど、それもそうだ。


「んー…まあ、OASISの時も間違えて荒川次郎殺しちゃったしね?」


湊さんは、目を細めて笑いながら言い訳をする。


「なるほど。言われなくても殺す予定だったが、お前の許可が出た方がやりやすいな」


自分の右腕をつまんで遊んでいた琥珀が、ふっと顔を上げて黒い笑みを浮かべる。



そして、なんとも恐ろしい話題で怪盗達が笑っているのを眺めていると。




「じゃ、俺はハッキングの続きを………ん?」


自信たっぷりに聞こえてきた銀ちゃんの声が、いきなり疑問形へと変わった。