「美味しい紅茶入れられるように頑張るから、また遊びに来てね」と笑いかけると、麻里奈ちゃんは目を丸くした後そっぽを向き「友達みたいに気軽く誘わないで」と口を尖らせていた。
「麻里奈が来たらしいな。何か言われなかったか?」
帰宅した匡さんを玄関先で出迎えるなり、そう聞かれる。
麻里奈ちゃんは、匡さんが出社してから訪ねてきて、帰宅する前に帰って行った。
それなのにどうして知っているのだろう。
私にマウントをとりに来た麻里奈ちゃんが、わざわざ匡さんに報告するとは考えにくいので、だとしたら滝さんから聞いたのかな、と思いながらも笑顔を返した。
「はい。でも、何か言われたわけでもないですし、最後の方は普通におしゃべりしていただけなので大丈夫です」
「最初の方はどうだった?」
めざとく指摘され、苦笑いをこぼす。
「麻里奈ちゃんが喧嘩腰だったので、私も言い返しちゃって……匡さんに苦情がきたらすみません」
匡さんは驚いたように私を見て、それからわずかに口の端を上げた。



