匡さんと結婚してから今日まで、毎日のように頭に浮かび、でもだとしても結婚できたのだからいいのだと強引に自分自身の背中を叩き無理やりかき消してきた。
そんな弱気になりたくないし周りにも気を遣わせたくないからとずっと隠してきた不安を声にしたはよかったものの……思いの外悲壮感を伴ってしまったせいで空気が重たく淀んでいく。
だから、慌てて取り下げようとしたけれど。
「なんで? 美織さんがパッとしないから? まぁ、多少の美人ではあるけどあんまり派手じゃないもんね」
麻里奈ちゃんのあっけらかんとした、そして私が傷つくかもしれないなんて考えもしない言葉に、立ち込め始めていたほの暗い雰囲気が消えていく。
本来ならショックを受けるであろう言葉がやけに清々しく聞こえ、思わず笑みをこぼしていた。
「匡さん、気の迷いとか周りに急かされて私を選んだんだろうけど、今は後悔してるんじゃないかなって……まぁ、思ったり思わなかったり」
私は、匡さんと結婚できただけで幸せだ。でも、一方の匡さんが後悔に溺れているのだとしたら、さすがに呑気に満喫してもいられない。
最後は明るく笑った私に、麻里奈ちゃんはなぜか気に入らなそうに眉を吊り上げた。



