赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「友達は、それなりにいるんだけど……結婚してからはまだ会ってないから。匡さんがいない時間にこの家に友達を招くのは気が引けるし、外でのランチは……匡さん、私が外出するのをあまりよく思わないみたいなんだよね。働くのもダメって言うし」

麻里奈ちゃんは、滝さんみたいに気を遣って私をフォローしないとわかっているからか、頭の隅に居座り続けている不安がつい声になる。

「私が妻だって周りにバレるのが嫌なんじゃないかなってたまに思う」

ずっと考えていた。
働くどころか、外出にもいい顔をしないのはなんでだろうって。

それはやっぱり、私がバイトになんて出たら桧山家の顔に泥を塗るようなものだからとも思った。
妻にバイトをさせないといけないほど財政状況がまずいのかとおかしな噂でも立てられたら信用問題に関わるから。

でも、本当はそれだけじゃないのかもしれない。私みたいな何でもない女が妻だって、あまり周りに知られたくないのかもしれない、とか。

披露宴をあんな盛大に行ったのは、会社の関係者への報告を一度きりで済むようにという効率を重視した考えからだと思うと、あんな、匡さんが嫌がりそうな大規模の催しも納得がいく、とか。

ふとした時、そんな可能性を考えてしまうのだ。

そして、一度考え出すとドミノ倒しみたいにどんどんと悪い方向へ思考が流れ出す。