八歳も年下の私と過ごす時間なんて、彼からしたら面白くもなんともなかっただろう。
今の、三十歳と二十二歳ならまだしも、十五歳と七歳なんて言葉通りおもり同然だ。
匡さんに関してすべてのことに盲目すぎた私は、赤い傘の女性とのツーショット目撃事件から色々と状況や立場を考えるようになり、それまでの関係が匡さんにとってはなんのプラスにも働かないことも、今まで相当なわがままで迷惑をかけてしまったことにもようやく気付いた。
だから……とてもショックは受けたものの、きっといいきっかけだったのだ。
あの一件がなければ、私は今も何も考えず気持ちのまま匡さんに好き好き繰り返し追い回していた可能性が高い。……いや、確実にそうしていた自信がある。
それを想像してゾッとしていると、滝さんが続ける。
「雅弘様が美織様にお洋服をプレゼントしたことが何度かあるかと思いますが、それを選ぶ手伝いをしたのも実は私なんです。使用人として働き出す前はアパレル関係の職についていたものですから。おこがましいとは思ったのですが、普段美織様が好んで着ている系統を聞き、色や形のアドバイスをさせていただきました」
「そうなんですね。どうりで」
雅弘おじ様は決して趣味が悪いわけではない。
けれど、自分の娘ほどの年齢の私へのプレゼントは慣れないようで、たまに母と一緒になって首を傾げたくなるような贈り物があったのも事実だ。
そんな中でも、クリスマスや誕生日にプレゼントされる服だけは毎回好みの物ばかりだった。
どうしてこんなに好みにどんぴしゃな服を贈ってくれるのか不思議だったから、その謎が今解けてスッキリした。
解決ついでに、今日新たに持ち上がってきてしまった謎についても聞いてみようと、滝さんを見上げながら口を開く。



