「されますよ。何言ってるんですか」

本当に私がおかしな発言をしたようなトーンで言われ、最初はポカンとしてしまったけれど、そのうちにフォローしてくれたのだろうとわかり、笑顔を返してから立ち上がった。

滝さんは使用人だ。

たとえ私が〝匡さんは私が好きじゃない〟と言っても、〝そんなことないですよ。好きですよ〟と返すに決まっている。

愛されてもいない私にも優しくしてくれる滝さんの言うことを聞いて、今日は家に引っ込むことにした。