赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「大事にしまって、ずっと忘れません」と言った私に、匡さんは「何度でも言ってやるから安心して忘れろ」とおかしそうに笑ったのだった。

雅弘おじ様への報告は、もう少ししてから匡さんがしてくれるという。

滝さんたちには帰宅後知らせ、麻里奈ちゃんにも訪問を控えさせるために明日にでも電話しておくと匡さんは言っていたので任せることにした。

私としては、本当にもうストレスは微塵も感じないしむしろ心待ちにしている部分もあるとはいえ、匡さんにも思うところがあるのだろう。
変な心配はさせたくない。

「〝若いママになりたい〟と言っていたが、本当にその通りになったな」

しばらくした後、ハンドルを握ったまま言われる。

すぐにはなんのことかがわからず「え……」と漏らしたままキョトンとしていると、匡さんはチラッとこちらに目を向けた。

「美織が言っていた夢だろう。〝挙式はふたりきりで挙げたい〟〝大きなダイヤの指輪がほしい〟〝若いママになりたい〟……ああ、〝新婚旅行はイタリアがいい〟もあったな」

途中でハッとした。
匡さんの声でスラスラと並べられたのは、昔私が掲げていた夢だ。

でも、そんなのは本当に昔の話で……私が幼稚園だとか小学校低学年の頃、言っていた戯言だ。