赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「高校卒業するまでは、けじめとして関係を変えるつもりはなかった。さっきも話した通り互いに真剣だったとしても、学生と社会人という年齢差をうがった見方をする人間もいる。誰にもケチをつけさせたくなかった」
「それは……はい。そうじゃなくて、私のことを……」
「けれど、卒業まで一年半というところで急に美織の態度が変わった。俺が何かしたのかもしれないという可能性も考えたが、明確な答えは見つけられなかった。でも、心変わりしたというなら、そのままにしておくわけにもいかないと思い、里美さんに美織との結婚を申し込んだ」

私は、匡さんにまず好きだとひと言言って欲しいのだけれど、始まった話題も気になるものだったので思わず黙る。

高校二年生の秋に申し入れられた早すぎる結婚話の真相は、ずっと疑問だったことのひとつだ。

「俺を買ってくれている里美さんを通せば、まず断られないだろうという打算があったのは認める。でも、心変わりをした美織をそのまま放っておいてみすみす他の男に渡すわけにもいかないと思った。どうしても形だけでも俺のものにしたかった」

私は、匡さんほど年の差は気にならない。
でも、匡さんの言うように社会人と学生の交際は色々と問題になるのかもしれないというのはわかる。

それが、お互い真剣でもダメなケースがあるのはおかしいとは思うものの、真剣交際なのによく知りもしない人に後ろ指刺されるくらいなら、卒業を待った方が賢明なのも、まぁ、わかる。

私よりも何倍も賢く冷静な匡さんは、だから高校卒業まで待とうとした。
でも、途中で私が急に態度を変えたからそれを心変わりだと勘違いし、とりあえずは周りを固めようとして……という経緯の結婚の申し入れだったのか。