赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



私としては顧客相手としてではなく友達みたいに接してくれる方がいいので嬉しく感じているし、本当の友達にも匡さんへの想いを話すたびに軽くひかれているので相葉くんの態度に大きなショックは受けなかった。

わかってくれる友達も中にはいるのだけれど、七割方、私が少しおかしいという反応をされるので……残念ながら私の気持ちは相葉くんの言うように〝スーパーヘビー級〟なのだと思う。

でもそれも仕方ないのだ。幼い頃から抱えていた恋心をずっと育み続けていたら誰だってこうなる。

「でも気持ちの重さなんて自分で調整が利くものじゃないし。じゃあ今回はこのくらいのレベルで好きになろうとか思って、その通りにいくものじゃなくない?」
「それにしたってって話ですよ。匡さんもよくそんな圧迫しそうなでかい愛情向けてくる美織さんと結婚しましたよね。その先の結婚生活考えたら、絶対に恐怖でしかないと思うんですけど」

相葉くんは、白い花をつけたイベリスをそっと置き、根っこの部分に慎重に土をかぶせながら苦笑いで言った。

イベリスは逞しくどんな土でも割と育つらしい。桧山家の花壇の土は相葉くんが厳選したものだから、きっとすくすくと育ってくれるだろう。

白いスズランに水色のサクラソウ、そして白いイベリスという並びはとても綺麗で、ここに次はどんな色の花が足されていくのだろうと考えるだけで気持ちが明るくなるようだった。