赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「いえ! 匡さんのせいなんかじゃないですから。私が……私が、大事なことを忘れて、考えなしに動いた結果ですから」
「それについても、あれだけ窮屈な生活を強いられたら誰だって反発する。悔しいが相葉の言う通りだ。美織はなにも悪くない。自由にさせてやるだけの余裕が俺になかっただけだ」

結婚してから……ううん、結婚する前から感じていた、いくつもの〝あれ?〟という違和感や疑問が解けていく。

高校二年生の雨の日。
あの日にきっと、叔父さんを警察に突き出したのだろう。

だから沢井さんが高校近くにいて、匡さんを呼んだんだ。

この間、自宅近くでふたりがなにやら真剣に話していたのも同じ理由だ。
あのとき、たしかに三十分前くらいにインターホンが鳴って滝さんが対応していた。

相葉くんや麻里奈ちゃんが、匡さんと沢井さんがふたりでいるのを見かけたというのも、シークレットサービスとしての仕事の話をしていたのだろう。

私が叔父さんに腕を掴まれて話しかけられたとき、どうしてタイミングよく匡さんが現れたのか不思議だったけれど、あれは私を追っていたわけではない。

叔父さんが家近くにきたと沢井さんから連絡を受けたからで、匡さんは叔父さんを追っていたんだ。

週末のお出かけが、いつも少しだけ遠出なのも、美容院に行ったとき、まず一番に気にしたのが誰にも会わなかったかということだったのも……すべて納得がいった。

もちろん、外出禁止、勤労禁止にも。
そして、沢井さんはきっと私になにかを気付かせたかったんだ。