赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



一昨日はスズランを、昨日はその手前にサクラソウを植え、今日は花壇の縁取り近くにイベリスという花を植えている。

手前に向かってだんだんと背が低くなっていて、お行儀いい花の並びはクラス写真のようで可愛らしい。

桧山家の庭は、芝生も生き生きとしているし、こうして花や木ものびのびとしていてとても魅力的だ。しっかりと相葉くんの手が行き届いているからだろう。

私よりふたつ年下の相葉くんは、「ハイレベルのライバル目の前にしてやる気燃やすとか、美織さんって見た目によらずガッツありますよね」と呆れたように笑った。

「見た目はこう、綺麗だし、か弱そうなのに」
「え、でも好きな人だし……頑張るしかなくない?」

あの時の私に他の選択肢なんてなかった。
今考え直してもそう思うのに、相葉くんはまるで私がおかしなことでも言ったように苦笑いを浮かべた。

「いやー、どうですかね。なんて言うか、その恋の本気度にもよりませんか? ライト級ならまぁそのまま諦めて次移るし、ヘビー級なら頑張り続けるんでしょうし。美織さんのはスーパーヘビー級って感じで、今ちょっと軽くひいてます。〝うわ、重っ〟って」

相葉くんは匡さんに対してはどうかわからないけれど、私相手には結構ズケズケと物を言う。