赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「でも、その理由がわからないと、どうしても心に折り合いがつかない時があるんです。考えないようにしても、どうしてだろうって思っちゃうんです。それを繰り返しているうちに……匡さんを信じようと思えなくなりそうで怖いんです」

勝手に物を購入しないとか、アルコールを飲まないとか、そういう約束事ならまだわかるにしても、外出禁止というラインは明らかに厳しすぎる。

私は、匡さんが好きで盲目になっていると自覚しているし、滝さんや相葉くんから見た私もそうだろう。

気持ちの大きさを比べるのはおかしいけれど、誰よりも匡さんを好きな自信もある。

そんな、匡さんにべた惚れの私ですらたまに引っかかってしまうのだから、課されているルールは相当理不尽なものなのだと思う。

それはやっぱり……匡さんの気持ちがわからないからだった。

「理由がわかれば、納得できると思うんです。だから、どうしてなのか私に教えてもらえませんか?」

本当ならこんな話はしたくない。

匡さんからしたら私の気持ちなんてどうでもいいのだから、駄々こねられても面倒だと思うだけに決まっている。

私が匡さんを信じていようがいまいが関係ないのだ。

だったら、匡さんの言うことに従ってただにこにこしていた方が平和で、煩わしい思いもさせずに済むし、夫婦としてはそちらが正解なのかもしれない。

けれど、これ以上はもう自分の気持ちに嘘がつけなかった。心に一度できたささくれに、飲み込んだ言葉が次々にひっかかり、傷を広げていく。

匡さんを好きな気持ちに、どんどんと痛みが広がっていくのが、堪らなく苦しかった。