赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「いや、仕事関係で美織には関係ない」

堂々とした態度で発せられた声はハッキリとしていて、いつもだったら納得していたところだ。

匡さんが言うならそうなんだろうと、深追いはしなかった。
けれど……どうしてもしっくりこなくて、そのまま飲み込むことができず苦しくなる。

家の周りを誰かがうろついているとわかれば、匡さんがその人物について調べないはずがないのだ。

しかも、昨日今日ではなく、匡さんは『ここ最近』と言った。それならばなおさらだ。

つまり、匡さんはあの男性について知っているのに私に隠している。

それがわかってしまい……虚しい気持ちになりながらうつむいた。

「あの、匡さん」

床を見つめたまま口を開く。

「匡さんが、私の外出を快く思っていないのは知っていますし、今日心配をかけたことも謝ります。今後は匡さんが言うなら、私もなるべくひとりで外出するのは控えようと思いますし……二度脱走はしましたが、それでも今まで控えてきたつもりです」

約二カ月で二度のルール違反はあまり成績良しとは言えないとはいえ、内容が内容だ。

それなりに守っていると自負しているし、今後も特別な事情がない限りは破るつもりもない。