どんなに割り切ろうとしたって、残ってしまう不安はある。
家柄だって普通でとびきりの取柄があるわけでもない私は、誰から見たって桧山家に相応しくない。
卑下したいわけではなく、ただの事実で、最初からわかりきっていた現実だ。
それでも、気まぐれだとしてもどんな理由があったとしても、匡さんが私を選んでくれたのだから、とその一点だけを胸に大事に抱き込んで必死に前を向いていた。
一緒にいられるだけで私は幸せなのだからって。
その気持ちが、ここ最近グラグラ揺れている。
自分に自信を持てない私は一度揺れ出したらどうしていいのかわからなくて、ばかみたいにうろたえることしかできずにいる。
あまりシリアスな空気は得意じゃないので、最後「なんてね」と言って笑いかけると、麻里奈ちゃんは難しい顔をしてからため息を落とした。
「麻里奈は美織さんを認めたとか、そういうんじゃないから絶対に誤解はしないでほしいんだけど……前も言った通り、匡くん、別に美織さんのことを気まぐれで選んだわけじゃないよ。それは、見ててもわかるもん。あんなに執着して大事にしてる姿なんて見たことなかったし」
それはきっと、私を家から出したがらないことを言っているのだろう。
相葉くんも言っていたけれど、見方によっては今の私の生活は、匡さんに執着されて大事にされているということになるのか……と感心していると、麻里奈ちゃんが続ける。



