赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「私ね、高校二年生の頃、あの女性と一緒にいる匡さんを見かけたの」
「え……そんな前からあのふたり一緒にいるの!?」

目を見開いて大声を出した麻里奈ちゃんに頷く。

「その時、ふたりがすごくお似合いに見えてショックだった。すぐそこにいるのに、まるで別世界だったの。私は制服で匡さんとあの女性はスーツ姿だからとか、そういう問題だけじゃなくて……雰囲気っていうかふたりが並んでいるところがしっくりきた。パズルのピースがはまったみたいに見えて、ああ、匡さんの隣に合うのはああいう人なんだって思い知った」

自分の気持ちに自信を持ち猛進するあまりなのか、匡さんが拒否しないのをいいことに甘えすぎていたからなのか、それまでは匡さんと自分が不釣り合いだなんて考えもしなかった。

それだけにショックだったと話し、続ける。

「だから、大学も行ってしっかり学ぼうって思った。何より中身が大事だと思ったし知識はたくさんあった方がいいから。それと……見た目をどうにか大人っぽくしたくて単純だけど髪を伸ばそうと思った」

苦笑いで白状すると、麻里奈ちゃんが唖然とした表情を浮かべた。

「え、じゃあ美織さん、あの女を見て、髪を伸ばしたの?」
「そう。あの女性がきっかけで伸ばした髪だったのに……切ったのも、あの女性が理由になっちゃった。匡さんに、あの人と重ねて見てほしくないって思って、その一心で家を抜け出して切ったの。ひとりで馬鹿みたいだよね」