赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました



「ないよ。ただ、二週間ぶりだし顔が見たいなって思って。それにほら、髪切ったからそれも見せたくて」

携帯を少し下にずらし、髪先がよく見えるよう指でいじる。
母は『あら、懐かしい』と嬉しそうな声で言った。

『美織はずっとその長さだったもんね。長いのも似合ってたけど、やっぱりその長さがお母さんからしたら美織って感じがする』
「うん。結婚式も終わったしいいかなって思って、今日切ってきた」
『そう。いいね。可愛い』
「お母さんは変わりない?」

ポンポンと流れていく会話が心地いい。

最近は、相葉くんだけじゃなく滝さんや麻里奈ちゃんとも普通に話せるようになったので毎日楽しいけれど、やっぱり母相手だと気が緩む。

『うん。ないよ。仕事も楽しいし好き勝手やってる』
「まだ夜勤入れてるんだよね? 体大丈夫?」
『全然。この間健康診断あったけど、何も異常なかったしね。私には性格的にも仕事的にも個人病院よりも総合病院の方が合ってるのよ。もともとが夜型だし、あまり大きな声では言えないけど、外が暗くなるとやる気が出てくるのよね』