「いや、それは……いやいや」
相葉くんが何かうまいことを言って慰めようとしてくれているのが雰囲気でわかったけれど、結局それ以上言葉が繋げられることはなかった。
私の顔を見れば『離婚する? した方がいいよ!』と毎回なんだかんだと理由をつけて勧めてくる麻里奈ちゃんも、さすがに可哀相だと思っているのか何も言わずにバツが悪そうな顔をしているだけだった。
ふたりの様子から、自分がなかなか悲惨な状況だとわかり、ますます気持ちが落ち込んでいく。
自分の、腰辺りまで伸びた髪が視界に入り唇をかみしめる。
高校二年生の頃、あの女性を見かけた時から伸ばし始めたことを思い出す。
匡さんに似合う女性になりたくて、少しでも大人っぽくなりたくて、まずは見た目からと安易な考えから伸ばした髪。
気付けば今、あの女性と同じ長さになっていて……それがなんだかとてもやるせなかった。



