この六年以上の間、どんな事情かはわからないけれど匡さんがあの女性と逢瀬を重ねていたのは事実だ。
ここにいる三人が見たことがあるのだから、結構な頻度で会っているのかもしれない。
……もしかしたら。
匡さんは本当はあの人が好きなのだろうか。
あの女性は既婚者だ。だから、あの人と結婚できないなら、特に相手にこだわる必要はないしと手っ取り早く身近にいた私を選んだ……なんて。
まさかそんなひどい経緯ではないとは思いながらも、完全に否定できないのは、この結婚には何かしら事情があるとずっと思っていたからだった。
私を出歩かせなかったのは、あの人と外で会っているところを目撃されないように?
いくら匡さんにベタ惚れの私だとしても、さすがに怒って修羅場とか面倒なことになるかもしれないから、それを避けるため?
ネガティブな考えが頭の中をグルグルして、自然とうつむいていた。
「匡さんは、私で妥協したのかな。裏切らなそうだし、まぁいいかなって……思ったのかな」
別にそれでも構わないはずだった。
匡さんにとってどんどん都合のいい女になっていければ、傍にいられればそれでいいって……それに、どれだけ先になっても構わないからいつか好きだって言ってもらえたらそれでいいって今までは思えたはずだったのに。
〝私は幸せなんだから〟と、これまでだったら前を向けた気持ちが、しょんぼりと沈んでいた。



