私は寒がりである。おまけにもれなく冷え性でもある。
 寒がりの上に冷え性ならば夏はさぞ快適だろうと暑いのが苦手な方は思われるかもしれないが、私は夏が大の嫌いである。
 寒がりで冷え性でも冬の方が好きなのだ。
 恐れ入りながら、私が夏を嫌いな理由を是非知っていただきたい、おそらく皆さんも一度は鬱陶しく思ったことがあるであろうことばかりである。
 眩しさ、強い紫外線と日焼け、汗が噴き出るような蒸し暑さ、蚊、蝉、エアコン、外と中の温度差、私が夏を好まない原因はここにある。
 私は眩しいのが苦手なので夏になると外に出る時には必ずサングラスを掛ける。
 母から譲ってもらったレイバンのサングラスで気に入ってはいるのだが、夏以外の季節は袋の中で眠っているので一生物にしても少々勿体無いと思ってしまうのだ。
 紫外線も似た話で、肌が強くないせいか日焼け止めを塗っていても一日外に出て家に帰った頃には日焼けしたところが赤くなっていて、ヒリヒリとし始めて治るまでそれを引きずり続ける。
 そして夏といえば暑いのは当然だが、年々異常なほどに暑さが厳しくなっているような気がする。
 日頃叫ばれる地球温暖化の影響なのか異常気象が通常になり、最高気温40度を観測しましたといってニュースになる日さえあるのだから、間違いなく暑さは厳しくなっている。

 蚊と蝉は夏を過ごすならば避けられないが、私は彼らと仲良くできたことがない。
 蚊は言うまでもなく、刺されると赤くプクッと腫れて(かゆ)さに耐えるのが辛いからである。
 私の血を吸ったのが偶然にも大きな藪蚊(やぶか)さんであったときは痒さを通り越してじわじわと来る痛みに耐えなければならない。