「取り敢えず大和くんを探そう。
誰か居場所聞いた?」

「え、でも夏休み中って
洋画丘高校開いてなかっただろ。
俺校門で待ってるかと思ったんだけど…」


「私、“3-B”で待ってる。って言われた」


え?という声が揃う。

3-Bは私たちの教室だ。
しかし、校門は開いた気配がない。

どうやって入ればいいのか困惑していると、クラスのムードメーカーである『紗羅』が声を上げた。


「ねえ、渡と電話つながらないんだけど。
ラインも、既読つかないし」

『やばくない?誘拐かもよ』

「…一応もしもの時のため確認するね。
今家に親がいる人手あげて」


そういうと、3〜4名手を挙げ出した。

私も母が家にいるので一応あげたが、
両親揃っているという人は誰もいない。

夏休みだ、
休日なのは私たちだけで大人は仕事がある。

しかし、何人かの大人は連絡すれば
繋がる状態となっているのだ。

いざとなった時頼れる人がいるのはだいぶ
心の支えになった。