急いで声をかけても返ってくるのは呻き声。
生きてはいる。しかし、残りの2人は?

まずはとにかく紗羅の確認だ。

一応目立った外傷は見られなかったが…
もしかしてと思い首元に目をやると、
気味が悪いほどくっきりついた紫色の跡。

何があったのか、
私はあまり振動させないように、
服の留め具を外し呼吸がしやすいよう
体制を整えた。

そしてもう一度『紗羅』と声をかける。

すると紗羅はばっと顔を上げ
私の顔を見ると肩を掴みこう叫んだ。


「湊と実が、人質に!!」

『ちょっと待って、
何があったの、怪我は大丈夫?』

「私は大丈夫。
実と湊が人質に取られた後、
やってきた女性に縄で首を絞められて....

ごめん、最初からいう。
4人が出て行った後、
しばらく経ったらまたメールが送られて。

ねえどうしよう、おえっ」


紗羅の背中をさすりながら
私はスマホを開きスクロールする。

しかし1番下にある写真を見た時、思わず
指が凍りついたように止まってしまった。

私は焦りながらもっと上に遡る、
状況を把握するために。

するとすぐに紗羅のいうメッセージを
見つけた。気持ちの悪い、
どこか上品な笑い声から始まる伝言だ。


[ほほほほほ。何笑ってんでしょうね。
私は。まあいいでしょう。

共犯者が3人により発見されました。
まあいい、時間も後少しですから。
でもお前ら3人が何もしないでのほほんと
此処で待っていると考えたら...

腑が煮え繰り返るようです]