ふわふわとした脳が覚醒した時、
真っ先に目に入ったのは白い天井を
囲んでいる黄緑色のカーテン。

このカーテンは「保健室」にしかない。

辺りを見渡しても時計は見つけられない。

そのかわりカルテの上に急いで書かれたで
あろう筆跡を持つ手紙が散々と
置かれていた。角ばった字…遥だ。


[残り時間は現時点で35分。
私たちは1階→2階→3階の順で周る。

艶子には体育準備室で待機してもらってる。

私たちのことは恨んでいないらしい。
何か理由があるからあとで話を聞こう。

あと準備室でタイマーを見つけたから
取り敢えずつけとく。参考にして。

フライパンは中にあった。
意味はよくわかんないけど使って]


横に置いてあるタイマーに映された数字は
7分48秒。

顔がさっと青ざめたのが分かった。
もう30分を切っている。

私は居ても立っても居られず、
衝動に駆られ遥の置いていってくれた
…フライパンを手に持った。


家庭科室から持ってきたのだろうと
思ったが保健室の中にあった書かれている。

しかしなぜフライパン?そんな疑問は
足止めの材料にはならなかった。

私はタイマーをすぐ出せるようポケットに
仕舞い、フライパン片手に
保健室から飛び出した。

ちなみに、胸ポケットにあったカッターは
いくら探してもない。

しかしズボンのポケットに入れた
『マスターキー』は無事だった。