「どうしよう、やばい。早く解かないと」

「艶子、落ち着いて。まずは法則を探そう」


湊の声に艶子も落ち着いてきたようだ。

送られてきた問題を舐めるように見ると、
ずっと考え込んでいた遥が口を開いた。


「見た限り、
ランダムに配置されてそうだけど。艶子、
この四字熟語の読み方全部わかるよね?」

「うん。
意味は①と②でまとまってる感じはない」

『一回メモにまとめてみる?私書くよ』


艶子の言う通りに四字熟語の読み方を
メモしていく。

刻々と過ぎていく時間に手が震えるが、
残り時間はまだあと20分もある。
焦るほどではない。



『紗羅、実、食満。
何か気になるところは?』

「僕はまだ…
今動物の名前で試してるんだけど」

『動物の名前?』

「ほら、中に動物の名前が隠れてましたー
とか、謎解きによくありやつ」


食満のその言葉に私も花や魚の名前など
思いつくものを一つずつ読み方から探す。

探し始めて5分、残り15分となった時、
ばっと実が顔をあげた。

そして紙を見てもう一度、
確信したように声を上げた。




「これさ、食べ物なんじゃないか?」